
「KICCAの鎌倉貸別荘で、三越伊勢丹公式YouTubeの撮影をさせてもらえませんか?」
妻あてに、かつての部下であり、今では当社の貸別荘「Kamakura Vacation House」のインスタグラム全般を手伝ってもらっている可愛い女性から連絡。
彼女は三越伊勢丹ライフデザイングループのインスタグラムやYouTubeを配信するチームのメンバー。彼女自身はプライベートのInstagramで万単位のフォロワーがいる凄い人。

撮影の内容を聞いてみると「ARTのある暮らし」というテーマで、「日常(生活・人生)を『おしゃれ』に変えるきっかけや感覚を提供する動画」をシリーズで配信しているんだとか。しかも、撮影は外注ではなく、社員が手弁当で。どんな仕上がりになるのか……。
鎌倉の貸別荘を前オーナーから引継いだ後、利用するゲストの方々が「こんな家に住みたい」「こういう空間で暮らしてみたい」と思っていただけるよう、ベッドやカーテン、家具や食器など少しづつ手を加えてきた施設。元部下からの依頼とはいえ、三越伊勢丹に「認められた」ってことだし、貸別荘の宣伝にもなるし、露出を極度に嫌う妻も一大決心をして快諾。
撮影の内容は「元伊勢丹ラグビー選手のご主人の手料理に合わせ、ワインエキスパート資格をもつ奥様セレクトのニュージーランドワインで最高の時間」となったが、ワインシーンは別バージョンで配信するってことで2本撮りに。撮影日も決定。来週じゃん。美容院の予約もしなきゃ。急がねば。
まずは食事のメニューを決め、そのメニューに合ったワインをセレクトすることにしたんだけど、ニュージーランドワインは日本での流通量がそもそも少量。ワイン専門販売店に行けばあるにはあるものの、私たちが彼の地のワイナリーに行って飲んでワイン感が180度変わり、ワインに目覚めてしまった銘柄はまず手に入らない。
それまでワインといえば「赤いのは肉料理、白いのは魚料理」というくらいの認識しかなく、味もそう大差ないと思ってたのに、葡萄によって全く違う味(そりゃそうなんだが)、合わせたワインによって料理の味が一層美味しくなるなんて、そりゃもうあなた、感動を通り越して衝撃でしたよ。
いやいや、こんなこと言ってる場合でなく、急ぐんだった。
閑話休題。

ニュージーランドは食事ができるワイナリーが多く、その中で私たちのお気に入りは肉や魚、野菜など色とりどりの食材がひとつの「プレート」で食べられるスタイル。
今回の撮影ではこのワンプレートスタイルにして、メニューは料理教室で習った(のは妻)蝦夷鹿肉のパテ(作るのは私)、鶏胸肉のハム、鎌倉野菜、普段作っている総菜などに決定。
日本ではまだ馴染みのない鹿肉だけど、人口餌で飼育されていない野生の鹿は、抗生剤やホルモン剤接種の心配がなく、高タンパク・低脂肪で栄養素も高くて、しかも美味しい。
パテの肉を豚肉に変えて作っても美味しかったんだけど脂が多く染み出たので、パテはやっぱり鹿肉かなと思った。この鹿肉を大手商社を辞めて起業した知人(元ラガーマン)が経営する株式会社サンクワシカカンパニーで購入。
鹿肉のパテや鶏胸肉のハム、総菜は事前に仕込み、鎌倉野菜は撮影日当日の朝、JR鎌倉駅近くにある「鎌倉市農協連即売所」で購入することに。ちなみに、鎌倉野菜は日課である毎朝のランニングの途中で購入するってことで、二階堂の貸別荘から走って行き手に持って帰ってくる計画。野菜を持って走ってるなんて、まるで野菜泥棒だ。
次にニュージーランドワインをチョイス。一番お勧めしたいワインは日本で流通していないため、産地や葡萄の品種からその味に近いと思われるワインを、伊勢丹新宿店B1のワインショップや成城石井、ネットショップで10数本購入。
これらのワインを試飲して、料理と合うワインを選ぶ作業は、妻がワインエキスパートの資格取得後の初仕事。腕ならぬ舌が鳴る。
私たちの貸別荘は1階に寝室2つ、2階にLDKがある作り。主寝室の壁紙は紫基調で落ち着いた感じがいいんだけど、庭の木々が影となって部屋が全体的にやや暗い感じがするため、この撮影を機に張替えることに。

湘南内装という内装屋を営んでいる、私の高校時代の同級生に依頼し、撮影に間に合うように泊まり込みで作業をしてもらいました。かなり明るくなって、とてもいい感じ。
準備と予行練習を兼ねて、たくさんの荷物とともに前日に貸別荘入り。
食事シーンだけでなく、2つの寝室やリビングなども撮影するため、新たに購入したエキストラベッド兼ソファーやクッションの配置、お皿やカトラリー、ワイングラスなどのテーブルウエアーも考え、どうにかこうにか準備完了。でも何か大事なことを忘れてそう。最初に確認しとくことなかったけ?
つづく
ISETAN MART 【ARTのある暮らしvol30】
凄い人のInstagram
saeko(ouccctt_room):
伊勢丹新宿店グランドカーヴ
鹿肉:株式会社サンクワシカカンパニー
イタリア料理教室Via Frua
湘南内装:0463-73-1415
留言